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iPS細胞で脊髄損傷治療!慶応大研究チームが2019年に世界初の移植実施

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リハビリ

2019年に世界で初めて、日本でiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った脊髄損傷移植の臨床研究がおこなわれようとしています。

これまで脊髄損傷は有効な治療法がなかった!

脊髄損傷で運動機能を失うと車椅子生活になることも

脊髄損傷とは、脳と身体をつなぐ神経を損傷することで手足にまひがおこったり、ひどい場合は運動機能を失ってしまう状態になることを言います。

脊髄が損傷する原因の大半は、高所からの落下・交通事故です。
しかし、スポーツ中の事故や強烈な殴打など、私たちの生活の中にも脊髄損傷に繋がるできごとはさまざま潜んでいます。

国内患者は年間約5千人と言われており、症状に差はありますが、重い場合は車椅子生活を強いられるなど、動作を制限されている方もいます。

脊髄は一度傷つくと元には戻せない

脊髄は脳と同じ中枢神経です。中枢神経には自らの再生能力がなく、一度傷つくと二度と元には戻せません。

そのため、これまでの医学では失ってしまった運動能力を完全に取り戻すのは難しいとされてきました。

しかし、今回、iPS細胞を移植することで新たな神経細胞へと変化し、脊髄損傷の改善・治癒ができると期待されています。

iPS細胞移植による脊髄損傷治療の有効性

重度の脊髄損傷をおこしたサルでiPS細胞移植実験をした結果、見事に症状が改善された

慶應大学の研究チームによると、重度の脊髄損傷をおこしたサルでiPS細胞移植実験をした結果、「後ろ足で立ち上がる」、「握力の回復」などに成功したと発表しています。

iPS細胞移植に関する懸念点

iPS細胞の移植でがんの発症が否定できない

動物実験の結果、脊髄損傷治療の有効性がみられたiPS細胞移植ですが、心配な点も残されています。

それが、iPS細胞移植後のがん化。移植したiPS細胞が、がんの発生源となりうるのではないかという懸念点があるのです。

しかし、マウスによる実験では、移植したiPS細胞ががん化しないことが確認されており、今回の臨床試験の実施に踏切りました。

iPS細胞移植による脊髄損傷治療の概要

iPS細胞による脊髄損傷治療

出典元:産経新聞

今回の臨床試験は以下の条件を満たす方に対しておこない、治療の有効性・安全性を確認します。

また、以下のような順序で臨床試験は実施されていきます。

  • 運動機能や感覚を失った重度の成人患者
  • 脊髄を損傷してから2〜4週間以内の方

step
1
神経細胞の元となる細胞の生成

京都大学で備蓄されている、「拒絶反応が起きにくい免疫タイプの健常者の血液を使用したiPS細胞」を使用し、神経細胞の元となる細胞を慶大の研究チームが生成。

step
2
移植

慶大の研究チームが脊髄損傷患者の幹部へ移植。
移植した細胞が新たな神経細胞となり、途絶えていた神経信号、運動機能の回復をはかる。

これまで有効な治療がなかった病気にも希望の光を見出している再生医療

2018年7月にはパーキンソン病治療に関する臨床試験のスタートが発表されたり、これまでなかなか治療が難しかった病気や症状を救う一手であると、再生医療に期待がかかっています。

実用的な治療法として確立されるまで、まだ幾多の試験や課題をクリアしていかなくてはいけません。

しかし、これまで治せなかったものが治るかもしれない。再生医療が1日でも早く身近な治療法となり、多くの患者さんを救う手段となることを願うばかりです。

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